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相続登記の報酬は見当がつかない・当職が概算で報酬を公開する理由

更新日:2018年06月07日

報酬の見当がつかないまま相続登記を依頼したこと

 今から5年ほど前のことです。叔父が、祖父の不動産の相続登記を依頼する場面に同席したことがあります。
 金融機関から紹介された豊川市の司法書士事務所へ行くと、高齢の女性司法書士が出てきました。
 叔父が、不動産の情報と遺産分割協議の内容を書面で伝えたところ、司法書士は、「これではわからないから、固定資産税課税明細書を持ってきてください。」と言いました。
 私は、相続登記の業務に興味があって同行したので質問しました。「だいたい、報酬はいくらくらいになりそうですか?」そうすると、司法書士は、「不動産の価格がわからないとなにもいえない。」と言いました。
 相続税もかからない家です。不動産は、自宅の敷地と自宅の建物、田畑山林が1筆ずつで、叔父は書面で面積も伝えていましたから、概算で不動産の評価くらいできそうなものなのにと思いました。
 かりに不動産の評価額が2000万円なら大体いくらくらいという回答くらいできそうなものなのにと怪訝に思ったものでした。
 そこで、私は、機をみて、重ねて尋ねました。「え~と。正確な報酬はわからなくてもいいんです。たとえば、不動産の評価が2000万円くらいならこれくらいとか。アバウトな金額がわかれば十分なんですけど。」
 しかし、司法書士は、「やはり、固定資産税課税明細書がないと答えられない。」と言いました。
 私も、当時は、登記業務や登記の報酬体系がまったくわからなかったので、この業界はそういうものかと引き下がるしかありませんでしたが、この司法書士に不信感が募り、いくらかいらついたのを覚えています。叔父が払うとはいえ、報酬の見当がつかないのは不安なものでした。
 結局、ほかに司法書士を知らない叔父は、報酬の見当もつかないまま、その場で相続登記を依頼することにしました。その後、叔父が、司法書士にいくら報酬を払ったのか、私は知りません。

 登記業界でも、こういう司法書士ばかりではないとは思いますが、こういう経験があったので、私は、一般の方でも、できるだけ報酬の見当がつくように、不動産の評価額をもとにした概算で相続登記の報酬を公開することに決めたわけです。

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