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相続法改正・配偶者の短期居住権の条文化

更新日:2018年12月08日

配偶者の短期居住権の条文化

(1)改正理由

意地の悪い相続人

 遺産分割には期限がありません。この遺産分割がまとまるまでの間、自宅の使用は、通常、誰も気にしません。夫がなくなったあと妻が住んでいればまず問題になりません。

 ところが、意地が悪い相続人のなかには、このことを問題にする者がでてきます。「出ていけ」と言ってみたり、それがだめなら、「賃料相当額支払え」と言ってみたり。

 法律的には、妻にも自宅の共有持分があるので出ていく必要はありません。しかし、一部、意地が悪い相続人の権利がついてますから、一部不当利得ではある。それで、賃料相当額のうち意地の悪い相続人の権利分は支払わないといけない。遺産分割で何年ももめると、結構な額になります。こういうことでは残された配偶者は気の毒です。

判例の条文化

 これまでも、裁判所も、配偶者を守るための理屈を考えてきました。その理屈はこうです。亡き夫と妻との間で、生前に、自分が死んだあと、遺産分割協議がまとまり自宅の帰属が決まるまでの間は妻に無償で使用させる、そういう使用貸借契約が合意されていたはずだと。黙ったまま目と目で合意があったはずだというのです。「黙示の使用貸借契約」というんですね。わかりにくい説明ですが、まともな結論ですよね。

 今回の改正では、こういう争いを防ぐために、遺産分けが決まるまでの間の配偶者の居住権を正式に認め、条文化しました。

(2)内容・要件

 相続開始時に相続財産に居住していた配偶者は、① 相続開始時から6か月を経過した日か、② 遺産分割により自宅建物の帰属が確定した日のいずれか遅い日まで、自宅建物を無償で使用できます。

 ようするに、最低でも6か月は保障されます。それで、遺産分割がどれだけ長引いても金を払う必要はありません。

(3)注意点

 この制度が想定しているのは例外的なケースです。たとえば、亡き夫の相続人は後妻と前妻の子供とか、亡き夫に隠し子があったというような、相続人間に遠慮会釈がないケースです。だから、ほとんどの家庭には関係がありません。

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