更新日:2018年05月19日
本来、養子縁組は、やむをえない事情からなされるものと想定されています。後継ぎがいない場合や子供に恵まれない場合などです。しかし、相続争い対策として養子縁組が利用されることもあります。今回は、ある年老いた母親の遺志と対策をご紹介します。
母親の遺志は、自分の死後、昔ながらの道徳に従い、後継ぎの長男が本家を守ること。相続人は3人の子供、法定相続分は各3分の1。こういうご時世、相続争いで本家が損なわれることが心配になる。しかし、子供は皆可愛いし、死後に配分で責められたくもないから、長男に有利な遺言書を書くほどの覚悟はない。そこで、心の平穏が保てる方法として、長男の嫁と養子縁組をする。そうすることで、子供は4人、本家を守る者の法定相続分は、長男4分の1、長男の嫁4分の1で、合わせて2分の1になる。万一、子供達の遺産分割協議がまとまらず争いになる場合、長男の嫁には本家が損なわれないようにうまく動いてほしいとのこと。