更新日:2018年06月02日
譲渡所得には相続税の取得費加算というしくみがあります。たとえば、相続日から3年と10か月以内に相続した土地を譲渡した場合に、譲渡所得の計算上、不動産収入から控除できる取得費に相続税額を加算できるというものです。
かつては、取得費に加算できる相続税額は、相続人が相続したすべての土地にかかる相続税額でした。したがって、譲渡所得税は、人によっては数百万円もの減税になりました。
ところが、平成27年1月1日以降の相続では、取得費に加算できる相続税額は、譲渡したその土地にかかる相続税額だけになりました。その結果、譲渡所得税は数万円から数十万円程度の節税になるだけです。
このように取得費加算が大幅に改正されたため、相続した土地を売却する時期は、相続後の方が特別に有利ということはなくなったといえるでしょう。むしろ、相続前に売却した方が、売却代金で生命保険や生前贈与などの節税策がとれるという意味で税法上有利ということもできるでしょう。